冬に体調を崩しやすいのはなぜか？
12月後半から年末にかけて、「なんとなく体が重い」「寝ても疲れが取れない」「肩や腰がこわばる」と感じる人が一気に増えます。 風邪やインフルエンザだけでなく、はっきりした病名がつかない不調が続くのも、この時期の特徴です。
多くの人は「寒いから仕方ない」「年末で忙しいから」と片付けがちですが、実はそこには明確な体の仕組みがあります。 キーワードになるのが自律神経と血流です。
寒さが自律神経を乱す仕組み
人の体は、寒さを感じると体温を逃がさないように血管を収縮させます。 これは命を守るための自然な反応ですが、この状態が長く続くと問題が起こります。
血管の収縮をコントロールしているのが自律神経です。 寒さ・ストレス・生活リズムの乱れが重なる冬は、自律神経が常に緊張状態になりやすくなります。
- 寝つきが悪くなる
- 朝起きても疲れが残る
- 首・肩・背中がこわばる
- 内臓の働きが低下する
これらはすべて、自律神経のバランスが崩れているサインです。
血流が悪くなると起こる体の変化
血流は、酸素や栄養を全身に運ぶだけでなく、老廃物を回収する重要な役割を担っています。 ところが冬は、冷えによって血流が滞りやすくなります。
血流が悪くなると、次のような状態が起こります。
- 筋肉が硬くなりコリや痛みが出やすい
- 内臓の働きが鈍くなる
- 免疫細胞がうまく巡らない
- 回復力・自然治癒力が低下する
つまり「冷え」は単なる寒さの問題ではなく、全身の機能低下につながる要因なのです。
AST気功につながる体の捉え方
AST気功では、体を部分的に見るのではなく、「全体の流れ」として捉えます。 痛みや不調が出ている場所だけを問題視するのではなく、 その背景にある血流・神経の流れ・体の緊張状態を重視します。
例えば肩こり一つでも、原因は肩そのものではなく、
- 首から背骨にかけての緊張
- 内臓疲労による反射
- 呼吸の浅さ
- 自律神経の過緊張
こうした複数の要素が絡み合っているケースがほとんどです。 AST気功の考え方は、「体が自然に整おうとする力を邪魔しているものを取り除く」ことにあります。
今日からできる冬のセルフケアの考え方
冬の健康対策というと、「温める」「運動する」といった方法がよく紹介されますが、 それ以上に大切なのは緊張を抜くことです。
無理に体を動かす前に、まずは次の点を意識してみてください。
- 深くゆっくりした呼吸を意識する
- 首・肩・みぞおち周辺の力を抜く
- 結果を求めず、体の感覚に注意を向ける
これはAST気功でも重視される基本的な考え方で、 「何かを足す」のではなく「余計な力を抜く」ことで体の流れが戻ってきます。
まとめ
冬に体調を崩しやすい原因は、寒さそのものではなく、 自律神経の乱れと血流の低下が重なって起こる体の防御反応です。
AST気功の視点では、体は本来、自ら整う力を持っています。 大切なのは、無理に変えようとすることではなく、 体が自然に働ける環境を取り戻すことです。
年末に向けて忙しくなる今こそ、 「頑張る健康法」ではなく「整える健康」を意識してみてください。 それが結果的に、疲れにくく、回復しやすい体につながっていきます。