呼吸が浅くなると「気」が滞る

現代人の多くは、ストレスや姿勢の崩れにより、無意識のうちに浅い呼吸になっています。胸だけで呼吸する“胸式呼吸”が続くと、肺の下部まで空気が届かず、体内の酸素が不足しやすくなります。すると、疲れやすさや集中力の低下、イライラなどの不調が生まれます。

気功では、呼吸は「気の流れを整える要」であり、心身のエネルギー循環を司る中心的な役割を果たすと考えます。浅い呼吸は、まさに“気の滞り”を示すサインなのです。

気功で整える「深い呼吸」の基本

気功の呼吸法は、腹式呼吸をさらに深めた「丹田呼吸」が基本です。おへその下にある丹田を意識しながらゆっくり息を吸い、同じくらいの長さで静かに吐く。この“ゆっくり・静かに・深く”という3つのリズムが、体内の気を巡らせ、心を落ち着けます。

呼吸を整えることで副交感神経が優位になり、緊張がほぐれて血流も改善。自然と体が軽くなり、気持ちも前向きになります。

今日からできる!呼吸を深める気功エクササイズ

① 丹田呼吸(3分間リセット法)

背筋を伸ばして立つか座り、両手を下腹部に軽く添えます。鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を膨らませましょう。次に、口を軽く開き「ふぅ〜」と細く長く息を吐きます。吸う息より吐く息を長くすることで、気持ちが落ち着き、全身が温まっていきます。

② 肩の力抜き呼吸

肩に力が入っていると、呼吸が胸の上で止まりがちです。息を吸う時に肩をすくめ、吐く時にストンと落とすようにしてみましょう。これを3回ほど繰り返すと、自然と胸が開き、呼吸が深くなります。

③ 音を使った吐息法

「はぁ〜」「ふぅ〜」など、軽く声を出しながら吐くと、意識的に息を長くコントロールできます。気功ではこのような音の振動を使うことで、体内の気の流れを整える効果があるとされています。

呼吸を整えるための生活習慣

  • スマホを見る姿勢を正して、胸を開く時間を意識的に作る
  • 1日数回、空を見上げて深呼吸する習慣をつける
  • 入浴時に丹田呼吸を行い、リラックス状態で1日を締めくくる
  • 寝る前の3分間、ゆっくりと「吐く呼吸」に集中する

まとめ

浅い呼吸は、心身のエネルギー循環を滞らせ、疲労やストレスを蓄積させます。気功の丹田呼吸を通して深い呼吸を取り戻すことで、自律神経が整い、自然とエネルギーが満ちてきます。今日からほんの3分、呼吸を見つめ直して“気の巡り”を整えましょう。